(東野圭吾)
子供たちの中学校受験に向けて、勉強合宿に集まった4組の夫婦。湖畔の別荘地で、並木俊介は呆然とするしかなかった。床に転がる、愛人の死体、そして「私が殺したのよ」と告げる妻。集まった受験仲間は、子供たちを守るためにと、殺人の隠蔽を図る。なぜここまでしてくれるのかと思いながらも、俊介は愛人の死体を仲間達と共に湖の底に沈めるのだが・・・。
最初はよくあるパターンかなぁ?と思いながら読んだのですが、なかなか面白かったです。明らかに不自然な空気が流れていて、俊介もそれに気がついているんですよね。この違和感は何だ?と思いながら一緒に読み進んでいける感じです。
受験を控えて、必死になる親たちと、親たちの学歴第一主義な押し付け教育の理念をそのまま反復するかのように語る子供たち、というのがスパイスになっていますね。特に、そう描写されているわけでもないのに、この台詞をいっている子供の目は死んでいるんだろうなぁ~、と想像できる感じ。
賛否両論だと思うけど、このラストは結構好きです。
(文春文庫)
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