2006年9月30日土曜日

『夏のレプリカ』

(森博嗣)



犀川&萌絵シリーズ第7作。



簑沢杜萌は、夏休みに帰省した実家で仮面の誘拐者に襲われる。やはり拉致監禁されていた家族は無事だったが、実家に残っていたはずの兄が姿を消した。



誘拐犯たちの不可解な行動はなぜ?そして、盲目の兄はどこにいったのか・・・?



事件に隠された、杜萌の「あの夏」の真相は?



 



いつもの理系トリックは一味違います。
真相を知ってから読み返すと、文章に隠されたものが見えて面白いです。活字ミステリーの醍醐味が味わえる作品だと思います。主人公杜萌のキャラ・言動・思考が非常に良いし、チェスになぞらえた心理描写も面白かったです。



シリーズ作品の中で一番好きかも。



ちなみに、前作『幻惑と死と使徒』と同時期に起きた事件として描かれています。が、その設定に特に意味はないような・・・。強いて言うなら、犀川&萌絵がなかなか登場しない&あんまり深く関わらないことへの言い訳?(笑)



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