2006年9月30日土曜日

『夏のレプリカ』

(森博嗣)



犀川&萌絵シリーズ第7作。



簑沢杜萌は、夏休みに帰省した実家で仮面の誘拐者に襲われる。やはり拉致監禁されていた家族は無事だったが、実家に残っていたはずの兄が姿を消した。



誘拐犯たちの不可解な行動はなぜ?そして、盲目の兄はどこにいったのか・・・?



事件に隠された、杜萌の「あの夏」の真相は?



 



いつもの理系トリックは一味違います。
真相を知ってから読み返すと、文章に隠されたものが見えて面白いです。活字ミステリーの醍醐味が味わえる作品だと思います。主人公杜萌のキャラ・言動・思考が非常に良いし、チェスになぞらえた心理描写も面白かったです。



シリーズ作品の中で一番好きかも。



ちなみに、前作『幻惑と死と使徒』と同時期に起きた事件として描かれています。が、その設定に特に意味はないような・・・。強いて言うなら、犀川&萌絵がなかなか登場しない&あんまり深く関わらないことへの言い訳?(笑)



『レイクサイド』

(東野圭吾)



子供たちの中学校受験に向けて、勉強合宿に集まった4組の夫婦。湖畔の別荘地で、並木俊介は呆然とするしかなかった。床に転がる、愛人の死体、そして「私が殺したのよ」と告げる妻。集まった受験仲間は、子供たちを守るためにと、殺人の隠蔽を図る。なぜここまでしてくれるのかと思いながらも、俊介は愛人の死体を仲間達と共に湖の底に沈めるのだが・・・。



 



最初はよくあるパターンかなぁ?と思いながら読んだのですが、なかなか面白かったです。明らかに不自然な空気が流れていて、俊介もそれに気がついているんですよね。この違和感は何だ?と思いながら一緒に読み進んでいける感じです。



受験を控えて、必死になる親たちと、親たちの学歴第一主義な押し付け教育の理念をそのまま反復するかのように語る子供たち、というのがスパイスになっていますね。特に、そう描写されているわけでもないのに、この台詞をいっている子供の目は死んでいるんだろうなぁ~、と想像できる感じ。



賛否両論だと思うけど、このラストは結構好きです。



(文春文庫)



『六番目の小夜子』

(恩田陸)



ある高校には、十数年前から続く奇妙なゲームがあった。「小夜子」は毎年、密かに受け継がれ、3年に一度ある行動をする。六番目の小夜子の現れる今年、津村沙世子は転校してきた。美しい転校生、教室にひっそりとおかれた赤い花瓶と深紅の薔薇、そして今年の「小夜子」は動き始めた。学校という特異で、閉ざされた空間は、3年ごとに新たな生徒を受け入れては吐き出し、ゲームは生き続けていく。



 



伝説の、といわれる著者のデビュー作。発表当初は酷評されて絶版になったという。



なるほど、確かにデビュー作だけあって、粗いなと感じるところもありますし、なんとなく未消化なまま終わってしまった部分もあるように思います。



でも、学校というものを「生き物」のように捉えた発想と筆力は素晴らしく、上記のような点を補って余りあると思います。



学校、って改めて考えてみると、本当に不思議な空間ですよね。毎年のように生徒達は入れ替わって、でも「校風」のようなものが染み付いていて、きっとそれは「小夜子」伝説のように形あるものでなくても、やっぱりひっそりと学校に息づいているもので。



作中での秋(しゅう)の思考:『俺のような、余計なことを考え、こそこそと探り回る第三者をもってして、このサヨコという行事が何年も継続してきたのではないだろうか。こうして学校と言うこの閉じた世界はぐるぐると永遠に回り続けているのではないだろうか―――』というのは象徴的だなぁと思いました。



時に薄寒さすら感じさせる深さがあって、でも、日々爽やかに賑やかに学生達が過ごしている場。その雰囲気をここまで醸しだせるのはすごいです。



そして、やっぱり最も印象深いのは、文化祭の場面。このすごさは、読んだ人でないと分からないと思います。このためだけでも読む価値あり!



(新潮文庫)



2006年9月29日金曜日

ハーゲン弦楽四重奏団

木曜の夜、カルテットのコンサートに行ってきました♪
浜離宮朝日ホール。母と待ちあわせして。



モーツァルト:弦楽四重奏曲
 第18番 イ長調K.464〈ハイドン四重奏曲〉
 第19番 ハ長調「不協和音」K.465〈ハイドン四重奏曲〉
 第23番 ヘ長調K.590〈プロシャ王第3番〉



素晴らしかった!!
曲目は、すべてモーツァルトだったのですが、縦横無尽に構成された和音、美しく響いたと思ったら、絶妙な崩し方。今年はモーツァルト・イヤーですが、やっぱ天才だったのね~、と、作曲家の才をばっちり伝えてくれる演奏だったと思います。



このハーゲン弦楽四重奏団というのは、世界的にも評価が高いのですが、特徴的なのは、きょうだい4人で結成した、ということ。途中で第2バイオリンが変わっているので、今は3人が入っている。兄・妹・弟・・・そっくり^^;。結構笑えました。



休憩時間に仕事関係の知人にバッタリ出くわしてしまい、びっくり。
息子さん2人を連れていて、「これからかみさんと交代なんです」と。後半、ふと見たら、息子さんの1人も入れ替わっていた。なるほど~、きっと、おちびちゃん二人は、2時間の演奏会全部もたないんでしょうね。ウマイ手だな~!と思ったのですが、あれは開催側としてはOKなのだろうか^^;。



2006年9月27日水曜日

最近の出来事

このところ、日記も停滞気味。。。

先週、金曜日は前いた会社の人たちとの飲み会でした。同じ職種で、当時常務だった方が若手を集めて勉強会をしていた、そのメンバー。常務さんも来てました。


西五反田にある秋田料理の店「いな穂」。美味しかった~。


集まった若手が8人。うち、3人が会社に残っています。本当に、転職者が増えたなぁ。一方で、自分がその会社にいた経験から、まぁ、そうなるだろうなぁ、という感も実は強かったりもします。


それにしても、転職経験者って「転職至上主義」になりがちだなぁ、と感じる今日この頃。万人にとってベストなわけないと思うんですけどね。


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先々週、2番目の兄が婚約者とともに帰宅していました。12月に結婚予定。
その中で、「あぁ~あ」と思ったこと。。。兄が帰ってから、母と話していたら、、、

母「Yさん(婚約者)は、お料理も結構うまいんだって、M(兄)が一生懸命アピールしてんのよ。もう、お母さんたちにYさんを気に入ってもらおうと、必死よね(笑)。」
私「ふぅーん、でもお料理上手なのはいいね。」
母「そうね~。『Yは結構料理うまいんだよ。うまいっていうか、、、僕の好みに合うんだよね~(デレデレ)』だって。ふぅーん、て感じよねぇ~」

あぁ~あ、、、お兄ちゃん、料理上手を自認する母に、それは言っちゃダメでしょ。お母さんの味が一番だけどね、くらい言っとけ!(笑)

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昨日火曜日、夜大学のクラスメートとお食事に行きました。

アカデミックな道を進んでいる人ですが、色々と悩んでいるもよう。大変だ。

このところ、就職して6年ほどで、会社の中での居場所が確定してきて、仕事も慣れてきて、、、、さぁ、後どうしよう???みたいな状態にある人が多いような。

自分の道を自分で描くって、難しいね。

2006年9月25日月曜日

ICOな土曜日

このところ、読んだ本の感想UPが追いついていません。。。せっかく再開したのでちゃんと記録したいのですが、、、というのも、読書欲がすごく高まっていて、感想書く前に次の本を手にとってしまい、夢中になってしまうという・・・^^;



備忘録:
『六番目の小夜子』(恩田陸)、『夏のレプリカ』(森博嗣)、『レイクサイド』(東野圭吾)、『ICO』(宮部みゆき)、『心の格差社会』(誰だっけ?)



 



さて、土曜日はICOな日でした♪
ICOというプレステゲームをご存知でしょうか?RPGなのですが、これを題材に宮部みゆきさんが同名の小説を書かれているんです。
で、ゲームのICOをやるシュウゾーの横で、私はICO読んでいる、というなかなか幸せな(?)土曜日を過ごしました(^◇^)。



このICOと言うゲーム、結構昔のもの?シュウゾーが突然買ってきたのですが、すっごく、すっごく、好き!!
まず、絵が幻想的で最高。城が舞台になっているのですが、スゴイ。そして、主人公の二人が微笑ましい。手をつなぐ、というコンセプトも素敵。ヒロインのヨルダのキャラクターが絶妙!本当に、良い作品だなぁ~、と。久々ですね、こういうゲームに出会ったのは。最近のプレステゲームって、下手にグラフィックに懲りすぎてしまったり、冗長だったりするので。



その点では、宮部さんの小説は別物、という感じですね。小説を読んでしまうと、ゲームの方の神秘的な雰囲気が破壊されてしまうなぁ、と残念。ゲームのヨルダは、謎めいて、儚げで、ラストシーン近くなんて「うぁぁ、ヨルダぁ・・・」って超切なくなったのに、小説の方では普通の女の子過ぎてしまった。
まぁ、ちゃんとした感想はまた。



2006年9月21日木曜日

高校友人と飲み会

先週土曜日は、高校の友人達と飲み会。仕事でチリに行ってる人が、3年ぶりに一時帰国する!というので、急遽開催。



なんか、皆変わらなくて、ほっとするね^^。また一人、結婚する予定報告があり、月日の流れを感じました。



飲み会の前に、女性だけでお茶も。センチュリーハイアット東京で。ここの「ゆりの根のケーキ」が美味しいんです!!私、結婚式ここでしたので、打ち合わせとか行くたびにこのケーキ食べてた^^。



そして、これが食べたいために、友人2人もえらい歩かせ、飲み会の場所も実はここに近かったりして・・・。ほほほ。幹事特権デス!



自分は大丈夫

このところ、飲酒運転がニュースを騒がせておりますね。
これだけ騒がれて、警察も取り締まりを強化しているのに、検問であんなに引っかかる人がいるって・・・。皆どういう了見なんだろ??



多分、皆、「自分は大丈夫だから」「酔ってないから」って思ってるんでしょうね。
でも、これまで事故を起こした人も、みーんなそう思っていたでしょうね。



なんか、検挙数とかのニュースを見るたびに、悲しくなります。



2006年9月20日水曜日

『美しい国へ』

(阿倍晋三)



 



著者については説明の必要もないですよね(笑)。もちろん(?)本人が書いているわけではないでしょうが、一応次期首相になりそうな人の考えを代弁しているという名目の本くらいは読んでおこうかな、と。



そんなつもりで手に取ったのですが、前半、なかなかどうして、結構素直に感動してしまいました^^;。ロジカルな面と、情緒に訴える部分の組み合わせがうまいなぁ、と。(ただし、あくまで技巧的な面でうまい、という意味です)



後半になるにつれ、日米関係についての考えはまさに自民党の本流を地で行く!って感じで、さもありなんという感じではありましたが。



しかし、実は私、常に自民党支持だし、今後の自衛隊のあり方に関する考え方や、ここ最近の外交姿勢についてもどちらかというと支持しているので、まぁ、そうですね、という感想でした。



国防のこと、外交のことについては結構色々と思うところはあったのですが、結構センシティブですし、私自身もまだ確固たる考えを持っているわけではないので、これ以上は書かないことにします。



(岩波新書)



『オクシタニア』

(佐藤賢一)



時は13世紀。現フランス南部「オクシタニア」と呼ばれた豊穣の地には、異端カ
タリ派の教えが広まっていた。同地の有力諸侯トゥールーズ伯ラモン6世によるローマ教皇使節殺害を契機として、北フランス諸侯による十字軍が組織される。破竹の勢いでオクシタニアを制圧するシモン・ドゥ・モンフォール。うだつのあがらない元田舎貴族を支えたのは神が自分に味方するという絶対の自信だった。



一方、独立の気風で侵攻を阻もうとする都市トゥールーズ。カタリ派とローマ教会が混在するこの都市に、民兵隊長のエドモンと、カタリ派に傾倒していく妻ジラルダがいた。そして、盟主ラモン7世は、父が騎士シモンに奪われたオクシタニアの領土を回復していく。神は助けてはくれない、そんな思いを胸に。



神とは、何か。聖と俗、生と死が絡み合う抗争の中で、彼らが縋る信仰とは何なのか。

 



久々の佐藤賢一さん♪
いやぁ、長かった!いやいや、面白かった^^。

当時の世相、聖と俗の利害や力関係などが盛り込まれたストーリー展開は本当に天晴れ。やはり、状況が複雑なだけに、少々説明が延々と続いてしまう部分はありましたが、それでも、脱帽。



異端カタリ派と正統カトリックの論争が、夫と家を捨てて異端に走った女、妻のことを分かってやりたくて神との対話を選ぶ男、神を信じず自らの力だけを頼りに野望を抱く男、これら3人の個性あふれるキャラクターの対決に置き換えられているような感じですね。

カタリ派の教えは、やはり正統カトリックが腐敗したからこそ出てきた教えで、確かに作中にあるような生そのものを否定する教えに未来はない、というのが正論かと。でも、冒頭、オクシタニアの戦いを回想する老僧が語るように、異端とただ退けられるべきものでもない、というのも、そうだよなぁ~と。



それぞれのキャラクターを通して語られる「神」の像は、どれも全部共感はできないけれど、それぞれにグッと惹き付けるものがあります。こういうのが宗教の魅力になっているのかなぁ、と。しかし、俗界との関係で言えば、宗教は大義となり、そして意地になっていく。ものすごい肩に力が入って読み進んでいた私でしたが、そうした人々の心理と聖と俗の現実を看破したエドモンの終盤の言葉で、私もなんかストンと拍子抜けしてしまったような感じでした。あの感覚、是非皆さんにも感じてみて欲しいです^^。



ちなみに、私は母方がキリスト教で、その教えも本当に素晴らしいものだと思いますが、洗礼も受けていないしこの先も受けないでしょう。なぜならば、神の存在をまったく信じていないから^^;。そういう意味では、ラモンが一番共感できました。どうしてもけったいな(?)関西弁と相容れなくて、感情移入しきれなかったのが残念(笑)。



ちなみに、女性が虐げられているシーン(性的にも思想的にも)も多く、中世はこういうのが普通な面もあったろうなぁ、とスルーできない方にはオススメできません。ま、これは著者の作品ではいつものことですが・・・。



以下、ネタバレ反転



最後のジラルダの達する心の境地が、かなり不満。あれだけ蓮っ葉なことして、最後には「女は男に寄りかかるのが一番心地良い」みたいな結論。おーい・・・あんたの一生なんだったのさ・・・。この世の生とか、男女の睦み合いに価値を置かないカタリ派の教えとの対比であることは分かるが、あまりにもなぁ・・・。



(新潮文庫)



2006年9月14日木曜日

お休み&お客様

今日は体調不良につき、会社を休んでしまいました。ちょっと無理しすぎたか・・・。



先日の土曜日は、友人が家に遊びにきてくれました♪高校のクラスメート同士のカップルで、まぁ、なんと言いますか、往生際の悪いお付き合いを続けている二人です(爆)。
久々にすごくゆっくりおしゃべりして楽しかった。頂いたワインとチーズとドライいちじくも美味でした~♪ちぃちゃん、すすむさんありがとう!



パーティするのって楽しい~。うちの両親は職業柄非常にお客様が多かった為、実家は食器とかかなり揃っていて、こういう時とっても役に立つ^^。私自身、小さい頃から母のお手伝いをしてきたので、家に人を招くのは大好きなのです♪



今回のお料理の目玉は、ビシソワーズ・スープ。枝豆を使って色と風味を出してみました。最近、我が家で流行り(?)の「だだちゃ豆」という枝豆を使用。このお豆、本当に美味しいんですよ~。普通にゆでて食べるだけでも!オススメです。



パエリアにも挑戦してみたんですが、、、うーん、もう一工夫の余地あり。
やっぱり、お客様に初挑戦料理は出すもんじゃありませんね・・・。(当たり前??)



さて、ゆっくり寝よう。



ちょっと気を抜くと・・・

なんだか、体が疲れています・・・。やけに仕事が詰まっている、今日この頃。



今日は京都出張。ふぅ。
でも、こんなに楽な出張は久々!ミーティング1件だけだったので、10時の新幹線に乗って、17時半には東京駅に戻ってそのまま直帰。このところ、3、4件回るような、殺人的日帰り出張が多かったので、なんだか今日はえらくゆったりのんびり気分でした。



なぁんて、悠長に構えていたら、朝新幹線乗り間違えた(-"-;)
10時3分ののぞみに乗るはずが、ホーム反対側に止まってた列車に乗ってしまい・・・。9時56分にいきなり発車されてびっくり!こだまだし!!新横浜で所定ののぞみに乗り換えて事なきを得る。・・・アブナイ、アブナイ。。。。



週末からずっと熱っぽいので、今日はもう寝ます・・・。



2006年9月8日金曜日

『人恋しい雨の夜に』

日本ペンクラブ・浅田次郎選



短編集。テーマは「切ない小説」



切ない、というよりは、寄る辺ない孤独感とか、逆に誰かといることで感じる自分という個の感覚とか、あとは、無常感。私にとっては、『人恋しい雨の夜に』読んだら余計落ち込むよ・・・と思ってしまいました。逆に言えば、浅田次郎さんはこういう感覚に安心される方なのかな、と。
浅田次郎さん風の作品が集まっているのかと思って購入したのですが、嬉しい裏切りでした。



短編で特に気に入ったのは、T.カポーティさん『ミリアム』、芥川龍之介さん『蜃気楼』、三浦哲郎さん『盆土産』。『ミリアム』を読んで、超怖い!!と思うのは私だけでしょうか?淡々とした文章なのに、ものすごい薄ら寒さを感じました。



それとは別の意味で気になったのが、小泉八雲さんの『日本人の微笑』
というのも、日本人の特徴が非常によく現されていると同時に、作者が感じた日本人と今の日本人の違いをまざまざと感じさせられたからです。



作者によると、日本人はいつも笑顔である。楽しいときはもちろん、悲しいときも、苦しいときも、笑顔を絶やさない。これを、外国から来た人間は非常に奇異に感じる。外国人が使用人を叱ると、笑う。女中が、配偶者の葬式のために暇をもらい、戻ってくると、笑顔で雇い主の外国人夫人に報告をする。そして、外国人はそれを見て、なんともいえない憤りというか、苛々を覚える。しかし、これは日本の文化に根ざしたことであり、悲しい中でもうっすらと微笑を浮かべていることこそ、日本人的な美徳なのである。
とまぁ、大筋こんなことが書かれてありました。



この文章を読んで、確かにそうだよね、と思ったのですよ。



私は、2000年の9.11テロの時、現場の見えるビルにいました。同僚の中には家族や知人を亡くされた方も多くいました。そして、その時、社内で日本人スタッフに対する不満が噴出したんです。
「日本人は、瓦解するビルを見て薄ら笑いを浮かべていた」「今回のことをヘラヘラしながら語る」。そういった内容が、副社長(日本人)の下に次々と寄せられていました。副社長に報告されるほど、大きな不満だったんです。
そこで、その副社長は「確かに、あの事故で知人を亡くした者は日本人スタッフにはほとんどいないだろう。他国のことだと、割り切っている感覚はあるだろう。しかし、我々は外国人なのだということ、常にお客さんとして、ある意味目の上のたんこぶとして見られているのだということを忘れるな」と日本人スタッフを集めて説教しました。



でも、私はこれは違うと思うのです。瓦解するビルを見ていた日本人だって、衝撃だったのです。そういう時、日本人が取る表情は、「もう、笑うしかない」だったのではないでしょうか。多分、私の表情も、米国人的"Oh, No!!"な表情ではなかったろうと思います。また「今後、どうなるんだろうね」「怖いよね」という会話をするとき、私も恐らく微笑になると思います。現に、日本人スタッフの多くはそうだった。そして、現地スタッフの猛反感を買ったのです。



さて、『日本人の微笑』を読んで数日後のこと、、、
ネットのとある掲示板で愕然としました。



飲酒運転の車に追突されて、3人の子を失ったご家族のニュースは皆様もご存知かと思います。テレビカメラの前に現れた両親は、涙も見せず、「ありがとうございました」としっかりとお話されました。



この映像について、その掲示板では「ほとんど笑ってるように見えて、違和感を覚えた」「悲しくないのだろうか?」というようなことが書かれていたのです。もちろん、「悲しくないわけない、それを必死に抑えた上でのことだ」という意見も多くありましたが。



一応お断りしておきますが、その掲示板は、某有名掲示板サイトのように何かにつけて人を中傷したり批判したりするような雰囲気の場ではありません。不特定多数の人が書き込みをしていますが、概ね皆さん良識ある書き込みをする板です。



日本人の微笑の美徳感覚は失われつつあるようです。恐らく、多くの日本人が、まだ微笑しています。でも、それを見て、自らが違和感を覚えている。ちなみに、うちの両親に聞いてみたところ、「悲しくないはずがないのに、立派な対応だった」と答えました。私も、そう思います。まだまだ美徳派、ということですね。



日本人の中でも、こんな風に感覚が分かれてしまうなんて、なんとも意思疎通の図りにくい世の中ですね。別に日本人の微笑を受け継ぐべきだ!とは思いませんが、表情の作り方・意味という結構コミュニケーションの根源的な部分で、皆が同じ価値観ではなくなっているということに、ある種の脅威を感じる次第です。



2006年9月5日火曜日

ローズヒップにはまる

今日は大阪出張。



今回の出張はハードだ。というのも、、、二日連続で朝9時から夕方6時まで、ビデオ会議システムで配信されるセミナーをずーっと見てないとならない。



このセミナー、私の会社が毎年開催しているものなのだが、今年からビデオ会議システムを使って大阪でも受講できるようにした。私はこの企画の担当じゃないので、ぜーんぶお膳立ては整っていて、今日と明日だけ「はい、ぺこさん、大阪会場よろしく!」ってなわけなのだ。ビデオ会議のこと自体は協力会社がやってくれちゃうので、私がすることと言えば、受講生とおしゃべりすることくらいである。



したがって、実際にはひじょーーーーに楽な仕事。



だが~、やっぱり目疲れる。。。



 



と、いうわけで、ホテルに落ち着いてから、ネット検索。
今回のホテルはアタリだ!9500円なのに、広い、きれい、設備グッド!部屋にテレビPCまである。(ノートPC持参だからいらないんですけどね^^;)ラマダホテル@中津。



話がずれた。何を検索したって、マッサージサロンだ。すると、、、なんと!おあつらえ向きに、ホテルから徒歩1分!ナイス!!



極楽~♪
うふふ、若干上記の「目が疲れた~」が言い訳がましい^^;



でも、シュウゾーにもお土産。その店で出された飲み物がすっごいおいしかったので、先月からなぜかローズヒップティーにはまっているシュウゾーの為に(!)ローズヒップ・コーディアルを購入。決して、自分が飲みたいからではナイ。。。
http://www.thalgo.jp/thorncroft.html
水かお湯で10~15倍に希釈して飲むので、結構お得だと思われる♪
ちなみに、私がお店で飲んだのはピンクジンジャーコーディアル。



しかし、今になって、あんなにおいしく感じたのは、マッサージの後だったからなんじゃないかと思い始めた。。。ぐぅ。



2006年9月3日日曜日

撥水ガラス

我が愛車、ロードスター。



まじ、可愛いんです。



でも、買った当初から不満だった点。雨の日(特に夜)、事故りそうなほど、前が見えない^^;。いや、本当に。更に、もっと見えないのは、サイドミラー。雨降っちゃうと、光の乱反射のみでまったく使い物にならない。



まぁ、その辺は自分でがんばれ!という車ですネ(^-^;



というわけで、今日、やっとこさオートバックスに行き、撥水コート剤購入。



午後から家の前でせっせと洗車し、一応油膜取りをし、撥水コート。
疲れた~。暑いし。でも、日の照ってる時間にやらないと、水乾かないし。。。



と、そんな感じで頑張ってるワタシを尻目に、テレビ見てシュウゾーくつろいでおる・・・。ぬぬぬ。
「だって、それはキミの車デショ」。
はいはい。そうでござんすね(◎`ε´◎)。



洗車終わってから、母&シュウゾーと3人でゴルフの練習場へ。
今日は飛んだ!そしてシュウゾー、飛ばず!!
「洗車でかがんだりして、足腰に効いたに違いない!!」と言ってみる。
ふふふん♪



夕飯はシュウゾー作。トマトときのこのパスタ。美味♪



2006年9月1日金曜日

やっぱり日本人は・・・

Yahooニュースを見ていたら、こんなニュースが。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060901-00000004-fsi-bus_all
カネボウが再出発の象徴として投入するヘアケア製品の新ブランド『いち髪』のPR活動に小野小町が登場する、という話だ。



で、ふと先日シュウゾーと話していたことを思い出した。
小野小町は、世界三大美女と言われる。と、上記の記事にも書いてある。
ほんとか?小野小町なんて、外国人知ってるのか?





というわけで、調べてみた・・・世界三大美女: クレオパトラ、楊貴妃、ヘレネ・・・やっぱり違うんじゃん^^;
しかし、更に色々見ていると、



ギリシアにおける世界三大美女: アフロディーテ(ビーナス)、アテナ、ヘラ



全員ギリシア人だな・・・
(っていうか、人じゃないし)



インドにおける世界三大美女:メンカ、シャクントラ、ルップマティ



全員インド人だな・・・
(たぶん)



中国における世界三大美女:楊貴妃、貂蝉、王昭君



全員・・・



 





結論。



やっぱり日本人は謙虚である。



一休を使ってみる

来週、また月・火と大阪なので、ホテルの宿泊を手配・・・。



ふと、こないだあきさんが言っていた「一休」を使ってみようか、と思い立った。私は基本的にできるものは全部yahooでやるようにしているのだが、とりあえず、検索だけでもしてみるべぇ、と。



なんと!
こんなにyahooの宿泊予約が使いにくいものだったとは!!(笑)



前から、なんだか使いにくいなぁ~とは思っていたのですが、こんなもんかな、と納得していたんですよね。しかし、いざ、使いやすいほうを使ってみると、ダメね。サッサとポリシーを覆して一休に登録してしまいました^^;。
ちなみに、お値段は一応比べてみたけど、ほぼ同じでした。



世の中、どんどん便利になって、ユーザーもどんどんそれに慣れてしまって、後戻りはできなくなるのよね~。



多分、シュウゾーには「また、そんなもんに登録して!!」と怒られることだろう。
シュウゾーは、多少不便でも、自分の情報を極力露出しないことを最優先にするので。



でもね、便利なものは便利なのよぅ~。