2007年6月26日火曜日

『コーポレートガバナンス』

副題: -米国に見る『企業価値』向上のための企業統治



(ケネス・A. キム、ジョン・R. ノフシンガー)



 



最近、あまりにも仕事以外でお勉強しなさすぎだろう・・・と反省^^;。というわけで、これからしばらく読書はお勉強本月間と致します。



この本は、少し前の(2005年)のものなのですが、最近原書で新版が出たそうなので、そっちを読む前に読んでみました。



内容を読むと、少々副題に違和感を感じます。米国でいかにコーポレートガバナンスがうまく機能しているかを語る本のように見えますが、実際には逆です。



ガバナンス強化のために作用するはずの、様々な組織や制度がありますが、それぞれが、矛盾を孕んでおり、時に監視の役割を果たせないことがある、または敢えて果たさないインセンティブが存在する、ということを論じています。



取締役会とその報酬制度、社外取締役、会計監査人、投資銀行、など、各主体別に整理されており、明解。エンロンをはじめとした、多くの事例を収録している点も分かりやすさを補強しています。



ただ、そうした矛盾を孕んでいる現行のガバナンス体制に対して、どのような方策が有効であるのか、という議論には至っていません。



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