2007年1月31日水曜日

『スロウハイツの神様』

(辻村 深月)



売れっ子脚本家の赤羽環は、見知らぬおじいさんに、元旅館の建物を譲られた。一緒に住まない?と誘われて集まった漫画家、イラストレーター、映画監督、、、の卵達。まるでトキワ荘のような「スロウハイツ」。そして、自分の小説のせいで、10人以上の人が殺し合いによる集団自殺を図った過去を持つ超人気作家・チヨダコーキも、そこにいた。



 



今回は完全なジャケ買いですね。中身も、装丁通りな感じでした♪



個性の強いクリエイターの卵達が、いろんな意味で、刺激しあったり、ぶつかりあったり、という物語。最後の方の伏線拾いがとても気持ちよくて好きだし、ストーリーとしてもとても好き。失望させない終わり方がいいですね~。下巻の後半3分の1は、ベタといえばベタなのかもしれないけれど、単純に、こういう「お話」っていいなぁ~、と思ってしまいました^^。



でも、残念なのは、長い、全てを台詞で語らせすぎ、といったところかしら。すごく好きだけど、絶賛はできないなぁという感じ。



それこそ、チヨダコーキの書く小説みたいな。チヨダコーキの小説は、年齢で「いつかは抜けていく」小説として描かれていたけれど、それがもっと単発的というか。この作風を、2作連続で読みたいとは思わないんですよね。でも、読んだ後はなんだかスッキリするし。きっと、またしばらくしたらこういう本を必要とするときがあるんじゃないかな、って思いました。



あと、台詞が多いのは、それが良さでもあるのかも。主人公が脚本家だから、ちょっと脚本チックな雰囲気を目指したのかな?という気もしますね~。



でも、本当に、物語としてはすごく好きです。環の性格がいい^^。こういう女好きですね。



ついでに、どうしても、チヨダコーキがデスノートの初代Lのイメージになってしまうのはなぜだろう・・・?^^;



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