2006年8月23日水曜日

『流転の海』『地の星』

宮本輝



『流転の海』『地の星』『血脈の火』『天の夜曲』の四部作のうち、2部。
敗戦から2年。戦前、タイヤ業界で羽振りを利かせた松阪熊吾は、ゼロから松阪商会を立て直そうと動き出す。そんな折、諦めていた子を授かる。50歳にして初めて得た息子を溺愛し、「お前が20歳になるまでは絶対に死なん」と誓う熊吾。自信家で、激情家、しかし冷静で、頭が切れ、人情家、更には好色。そんな熊吾を取り巻く世界と人々は、まさに流転の海。



松坂熊吾のキャラクター、戦後の闇市が残る経済、人々の生活。そういったものをとてもうまく消化しているな、と思います。父と子の物語、と銘打ってありますが、2部まではひたすら父の物語ですね。朝の連ドラを見ているような気分。



熊吾のキャラクターが非常にユニークというか、際立っていて、そこがこの作品の魅力かと。少々、長い話の中でちょっとキャラクタの感じが違ってきてないか??と気になった部分もありましたが。熊吾の言う薀蓄というか、人生観も、なかなか深みがあって良いです。



ちなみに、私は現実に熊吾のような人がいたら、、、大嫌いですね(笑)。



なお、後半の2部を読んでいない理由は、、、、ちょっと飽きました(爆)。



(新潮文庫)



0 件のコメント: