2006年8月18日金曜日

『オーデュボンの祈り』

伊坂幸太郎



コンビニ強盗に失敗して、気が付いたら、荻島にいた伊藤。反対のことしかしゃべらない元画家、未来のことを予見するしゃべるカカシ優午、人殺しを許された桜と呼ばれる男。。。江戸時代、日本が鎖国を終えると同時に外界との交わりを絶ったその島は、独自のルールで動いていた。
そして、案山子の優午が「殺され」る。なぜ、カカシは自分の死を予見できなかったのか。「オーデュボンの話を聞きなさい」という 優午の言葉は何を意味しているのか。。。





こりゃ面白い。独特の世界が作り出されていて、あるわけないんだけど、結構自然に入っていける。案山子が殺されたりしてファンタジー風なのかと思いきや、ミステリーの中身はとっても現実的。そして、案山子の、オーデュボンの、「祈り」は結構「深い」。とっても大切なことを言っている。
最後に静香に対して伊藤が言う「そうだとも、それのほうがよっぽど大事だ」と笑いながら言う言葉もとても印象的。



スカッと一息入れられるけど、色々考えさせられる感じの小説かな。
警察官城山のエピソードはいらんかも。



オススメです。



(新潮文庫)



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