2009年2月5日木曜日

パーティション と シマ

昨晩、「プロフェッショナルの流儀」で、この不況下、オフィス移転に勝機を見出す、というような内容をやっていました。
複数拠点の集約移転により、コスト削減効果と、業務効率アップを、というような内容です。



前半しか見なかったのですが、某IT系(と言っていいのかな?)大手企業の集約移転のことが取り上げられていました。
で、新拠点での社員間のコミュニケーション促進のための「仕掛け」として紹介されていたのが、従来のパーティションで区切られた職場を、パーティションが一切ないオープンな職場にしよう、というものでした。



私も以前いた会社は大部屋・シマ型オフィスでしたが、確かに、シマ型には大きなメリットがあります。コミュニケーションが取りやすいです。でも、集中できない、というデメリットも絶対にあります。シマ型でずっと仕事されている人は、そんなことない!と思われるかもしれませんが、パーティション型からシマ型に移ると、歴然と分かります。パーティションがないから落ち着かなくて集中できないというのではありません、「当人の仕事状況を無視した話しかけ、および、無駄なコミュニケーションが増えるから集中できない」んです。



昨晩の番組では、パーティションを失くしたことにより、社員間のコミュニケーションが活発になり、メールの件数が1日100件くらいから70件くらいに減った、ということが成果として紹介されていました。話せば済むことは、メールしなくなったから、だそうです。でも、それって、「仕事中に話しかけられて中断されることが日に30回増えた」ってことです。長時間まとめての集中を要する仕事でそれって、致命的なんじゃ??と思うのですが。。。



ついでに、以前、こんなコラムを読みました。
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/nagata.cfm?i=20080804cy000cy&p=1



これ、まさにそうだと思うんですよ。ハイ・コンテクスト・コミュニケーション によってしか、仕事を円滑に進められない、っていうのは大きなハンディだと思うんです。



もしかすると、上記企業の例は、もう、効率を犠牲にしてでも、パーティションを取っ払って、ハイ・コンテクスト・コミュニケーションに戻さざるを得なかった、ということなのでしょうか・・・。それくらい、日本人はメールや、短い打ち合わせ時間の中で意思伝達・意思統一をすることが苦手だった、ということかしら。ふむ。



4 件のコメント:

シュウゾー さんのコメント...

この手の「仕事を潤滑に進めるため」の方法って、効率重視のやり方や時間のかかる連帯感をもったやり方とか、いろいろありますけど、結局落ち着くところは、”日本国憲法第24条1項”と同じだなあと。
つまり、「お互いの合意のみに基づいて成立し、お互いが同等の権利を有し、相互の協力により維持されなければならない」ということで。
ちなみにこの条項は「婚姻」について定めた条項ですけど。
日本的なやり方というのは、結局日本に根強くあるし、すぐに消えていくものではないだろうから、これを無視したやり方をすると潤滑にはすすまなくてストレスためるのは、効率重視型。だから結局、憲法第24条の精神をもって柔軟に対応して仕事をするしかないんでしょうね。

ぺこ さんのコメント...

シュウゾー、その憲法条項好きだね?(笑)
前もどこかで引用していたような。。。
確かに、根強くあるんだろうな、とは思うのだけど、IT系の会社なんて、どちらかというと組織も若いし、人員だって日本的な組織の仕事の進め方に染まっていない人がたくさんいただろうと思うのにな〜、と。もちろん、今回の例の企業が、結果としてどうなったかは知る由もないのだけど。とっても良い方向に進んでいるかもしれないんだけどさ。
正直、シュウゾーの職場なんかも、ハイコンテクストコミュニケーションばりばり、だと思うし、それによって、シュウゾーの仕事時間は5割増くらいになってるのでは?と思う。
そして、柔軟に対応するのは必要だけれど、そろそろ私たちも、自分のやり方を若い人にも押し付けかねない年齢/ポストになっているということに注意は必要かな、と思う。「非効率だな〜」と思いながら、日本的やり方に合わせていると、自分もそれを若い世代に求めるようになる。それでは進歩がないよな〜、って思うんだよね。気をつけねば。

腹ぺこ虎 さんのコメント...

ニイハオ
ご存じのとおり、うちの会社はシマ型です。
でも、上海に来てからは、
「社長の次に偉い人になった」
��「中国語ができない」ために、
誰も僕の仕事の邪魔をしません。
たまに、一番偉い総経理(社長)が
邪魔をするくらい。
サインを求められることはたくさんあるけど
これは仕事なので仕方がない。
そしてわかったことは、邪魔をされないで仕事をすると、
滅茶苦茶疲れるってことです。つまり、今まで以上に集中して、密度濃く仕事をしているようです。
なので、パーテーション型の方が、スタッフ系の仕事の人だったら、効率は上がるんでしょうね。
「団結力」とか「楽しい職場」とか、
そういうのを求めるのだったら話は別かもしれません。
ただ、これらが会社(業務)に必要かどうかは、
��ですけどね。
でも、「豊かな人生」のためには、こういうスローライフ的な
コミュニケーションが必要な人がいるかもですね。
どっちがいいのかは、難しいですね。
結局、社風に合うかどうか?

ぺこ さんのコメント...

にいはお[E:happy01]
中国語は、慣れてきましたか〜?
��邪魔をされないで仕事をすると、滅茶苦茶疲れる
それ、すごい分かります〜!
私は数ヶ月前に職場のレイアウト変更で、オープンスペースに席が移ったんです。そしたら、やたら皆話しかけるので、全然集中できない。話は全部仕事に必要な話なのですが、結構、「あ、そういえば、あれは、、」と通りがかりに思いつきで、頭の中を整理しないまま話しかけたりするので、コミュニケーションがあるからと言って仕事が良くなっているとは言いがたく^^;。
で、会社にアコーディオン式のパーティションを買ってもらって、それを席後ろに開いているときは話しかけるな!というルールを勝手に作って周知しました(笑)そしたら、全然効率が違うんですよね〜。で、疲れ度合いも全然違う。
��「団結力」とか「楽しい職場」
そうか、そんなことは考えもしなかったな^^;
でも、確かにそれは重要なのかもしれませんね。一日の大半を過ごす職場ですものね。
日記の例の企業も、IT系ですが、SEなどの職種には鬱などを患う方が多いと聞きます。職場のコミュニケーション、というのは、仕事のためだけでなく、スタッフの精神的健康のために必要なのかもしれませんね。