2008年9月30日火曜日

鉄は熱いうちに打て

久々に、読書記録をアップしてみた。

最近、週に少なくとも1冊程度のペースで本は読んでいるんですが、記録する時間がないまま、次を読み始めてしまって、感想をアップせずに終わるというパターンが^^;。
「前に読んだ本の感想を買いてから、今読み終わったこれの感想も・・・」と思うのがいけないんですよね〜。

そこで、とりあえず、「感想を書くまで次を読み始めない」ことにしてみました^^。

私にとって、読書の感想を書くって、その本を自分の中で消化する作業の一つなんですね。なので、感想を書いた本の内容って、すごく覚えているのですが、書かなかった本は、数ヶ月後でも再読すると、まるで初読のように楽しめてしまうという。え?その方が何度も楽しめていいじゃん、って?[E:coldsweats01]


最近の読書傾向:「冒険をしない」

どうも、時間がないので、面白くない本を読んで時間の無駄だったー、と思いたくない、という心理が働いているようで。本当は、時間の無駄だったー、と思うような読み方が問題なんでしょうけど。どんな本で何かしら得るものがある、って思う方が、健全だとも思うので。
とにかく、そんなわけで、冒険をしない、今までに読んで面白かった作家さんの作品を読む、という流れになってしまっています。そのせいか、最近は「アタリだ!!」と思うような作品に出会えません。寂しいことです。

でも、それなりに楽しんではいますけど。きっと、これから読書記録を書こうにも時間がなさそうなので、以下備忘録的に:

このところ読んだ本では、浅田次郎氏の『霧笛荘夜話』、伊坂幸太郎氏の『死神の精度』がおもしろかったかな。

あと、恩田陸さんを結構読んでます。『黄昏の百合の骨』『夏の名残の薔薇』は、私の好みにちょっと合わなかったです。でも、『光の帝国』。これは面白かった!続編?的な位置づけの『蒲公英草紙』も買ってあるので、読むの楽しみです。今は、やはり恩田さんの『ユージニア』を読んでますが、これも結構面白そう。ただ、どうも私は、恩田さんの書くヒロインに多い、知的でクールな美人の少女、という像が苦手のようです。嘘くさすぎて(笑)。

久々の海外もので、ジェフリー・アーチャー氏の『ゴッホは欺く』は、面白かったのですが、あまり感動がなく。

楡周平氏の『フェイク』、 は見るべきところナシ。

石持浅海氏の『セリヌンティウスの舟』は、一風変わったミステリーで面白かったけど、題名の表す走れメロスの逸話と実際に起きた事件との対比に少々無理があったような気がして、素直に楽しめませんでした。

それから、シリーズ物で、上橋 菜穂子さんの「守人シリーズ」なるものに手を出しました。従来、あまりファンタジーを読まなかった私なのですが、ちょっと現実逃避がしたいのかな?(笑)
文庫化されている『精霊の守人』『闇の守人』『夢の守人』『虚空の旅人』の4作を読みました。続きがまだ文庫化されていないのが残念。でも、これからゆっくり楽しめるという意味では良いかも。
ただ、2〜4作目は、実は勢いで読んだだけかも。最初の作品は、国家権力との関係で、国の成り立ちの歴史や、神話というか言い伝えや風習が変質するというテーマがうまく織り込まれて、独特のファンタジーだなと思ったんですが、2作目以降は、普通の冒険譚。でも、単純にファンタジーが読みたかったので、それはそれでOK。

そういえば、非常に腹立たしい作品もありました。藤本ひとみさんの『ダヴィンチの愛人』
以前から、藤本さんの作品はいくつか読んでいるので、あ、新しいの出てる〜、と思って買ったんですね。でも、読み始めたら、「あれ?なんか読んだことあるような???」と。でも、『ダヴィンチの愛人』という作品は絶対に読んでいないという自信があったのです。藤本さんも、結構ヒロインのタイプがワンパターンなところがあるので、そのせいかな?と思いつつ読み進んで、でも、どうしても覚えのあるようなシーンがそこここに。何か、雑誌とかに連載されていて、ところどころを読んだのだったかしら???と思いつつ、読み終えた次のページに、、、

「この作品は『逆光のメディチ』を改題したものです」

えぇぇぇぇ。それはないでしょ〜。だったら、裏表紙なり、帯なりに書くのが筋ではないの〜?私みたいに読み終わるまで気付かない人はともかく(苦笑)、内容見ずに「あ、藤本作品♩」て買ってがっかりする人、絶対いると思うんですが。作家として、読者に対してとても失礼な行為だと思いますです。
ついでに言うなら、この改題、改悪です。
というのも、私は『ダヴィンチの愛人』として読んでいる間中、「で、どこでダヴィンチはメインストリームにくるんでしょ?」と思いながら読み、最終的に、「ダヴィンチ、どうでもよくない?」と思ったわけで。まさに、内容は『逆光のメディチ』なんです。
というわけで、これにはほんっとうに不満!!

そして、だいぶ古い作品になりますが、会社の人に勧められて読んだ高木彬光氏の『邪馬台国の秘密』は、結構面白かったです。魏志倭人伝の記述が誤っている、とか、現在の地名と響きが似ている、といった論証方法をとらずに、あくまで魏志倭人伝に書かれてる内容に忠実に、論理的に邪馬台国の場所を比定しよう、という安楽椅子ならぬ病床探偵小説で、なかなか納得させられるものがありました。ただ、最後6分の1くらいが、ちょっと説得力に欠けたかな。以前に、鯨統一郎氏の『邪馬台国はどこですか』を読んで面白かったですが、鯨氏がこの『邪馬台国の秘密』の新装版のあとがきを書いていて、その中でこの本がなければ自分は作家にならなかっただろう、というようなことを書かれていたのが印象的でした。自分が影響を受けた本の題材にここまで正面きって取り組んで作家デビューというのは、珍しいのでは?

とりあえず、思い出せるのはこれくらいかしら。

2 件のコメント:

Todo23 さんのコメント...

ほほう、常野物語シリーズを読み始められましたか。
私も好きなんですよね。と言うか、私の場合、恩田さんはほとんどこれしか読んで無いのですが。
>ただ、どうも私は、恩田さんの書くヒロインに多い、知的でクールな美人の少女、という像が苦手のようです。嘘くさすぎて(笑)。
う~~ん。
『蒲公英草紙』のヒロインも、このパターンでしたね。
でも、まあ、懲りずに読んでみてください。
期待に沿えると思いますよ。

ぺこ さんのコメント...

実は、にいさまのとこで見かけて、気になってて、読みました^^。これはいいですね~[E:lovely]。とっても気に入りました。
そうか~、蒲公英草子もそのパターンなのかぁ。まぁ、でもヒロインのタイプは苦手でも、楽しめることは楽しめるのでOKなんですが^^。
恩田さん作品は、10作くらい読んでいると思うのですが、『黒と茶の幻想』が好きです[E:heart04]