2008年9月11日木曜日

言葉の意味

先日、シュウゾーが、研究室の学生がプレゼンテーションに「因子」という言葉をやたらと使うので、「この因子と言う言葉、どういう意味で使ってるの?」と問うてみたところ、「え~、ファクターという意味で使っておりまして」と返ってきたので、説教した、という話をしていた。



そういえば、ずっと以前、ドコモの販売員に、「このパケット定額ってどういうことですか?」と聞いたら、「パケットというのは小包という意味ですね♪」と返してきて、オイ[E:gawk]、と思ったことがあったな。



で、一昨日。昼休みに、会社の近くのドラッグストアに寄って化粧品の棚を見ていたら、「何かお探しでしょうか?」と、女性の店員さん(某化粧品メーカーの専門販売員)が声をかけてきた。



「かくかくしかじかのものを探しているんですが」



「それですと、やはり今お手に取られているものがそういうタイプですね」



ここまでは別に良かった。



「そちらの商品は、ハーバルと美白の効果が高いものになっておりまして」



・・・ハーバルの効果が高い、って日本語がおかしいだろ、と思い、まぁPOPに漢方がどうのこうのと書いてあったので、漢方配合なんです、と言いたいんだろうな、とは思ったが、ちょっと意地悪心を起こして、聞いてみた。



「ハーバル、って何ですか?」



「はい、ハーバルと言いまして、こちらの商品はハーバル・エステになるんです[E:shine]」



まったく説明になってね~、
日本語・英語の置き換えすらしてね~[E:sad]



がっくし。



 



と、まぁ、ここまでは人を馬鹿にするような書き方をしてしまいましたが、言葉の使い方、話し方って、難しいよな、と思います。会話中に「雰囲気」で言葉を使っていることって、自分でも結構あるように思うんですよね。その言葉の意味を100%理解せずに、よく耳にする、とか、多分こういう意味、といった感覚で会話に織り交ぜてしまっている。



友人との会話なら、「その言葉の定義を説明せよ」なんてことは言われないですが、やっぱり仕事上や書き物をしているときは、ある程度きちんとした言葉の使い方が求められますよね。特に仕事上では、「この人は理知的な話し方をするな」と思う人は、大抵言葉の選択が正確で隙がないように思うのです。



では、そういう言葉の使い方をできるようにするには何が必要か?月並みですけど、言葉の意味に敏感になること、しかないですかね。日々の積み重ねですね。頑張ろう。



7 件のコメント:

あき さんのコメント...

分からないときに「分かりません」て言えないのか、分かってないことを認識してないのか、煙に巻こうとしているのか、良く分からないことはたくさんありますが、日常生活ではコミュニケーション開始→終了までがつつがなく終わることが重要で、むしろ揚げ足取るとは何事?という感じの人はすごく多いんではないかと思います。
ところで
ハーバルってなんじゃ?と思っていて、考えてみて「ハーブの」だったか~と思ってしまったので、シュウゾー&ペコさんの話に妙に納得してしまったりして。ハーブについてはろくに知識はないですが、そこまでの理解で満足(笑)というかそれ以上の関心がないので、自己完結している底を見せているってことなのかもー。

zerkalo さんのコメント...

知り合いのコンサルやっている人が、プレゼンでやたらと大きな抽象的な言葉を連発する人(例えば、「グローバル」という言葉をプレゼンで連発する人とかに「あなたのおっしゃっている『グローバル』という言葉は、この話の中ではどういう意味合いで使っているのですか?」とか聞くと答えにつまるらしい」)は、たいていダメコンサルだとかなんとか言っていました。
ウチの業界でも、論文で大きな抽象的な言葉を何の説明もなしに連発する人、つまんない論文が多いかも。
たぶん、そういう抽象的な言葉を連発するときというのは、言葉の問題というよりは、その言葉にまつわる事柄に関する思考を曖昧なままにしているのだと思いますね。

Anonymous さんのコメント...

◆あきさん
そうそう、日常のコミュニケーションでは、「ん??」て思っても、「きっとこういう意味で使ってる」って受けて側も脳内変換しながら、スムーズに話を進めているんですよね。今思ったんですが、それって、もしかしてすごいことかも。人工知能でやろうとするとすごく難しい分野なのでは!?[E:flair]と思いました。
販売員なんだから自社製品ぐらいちゃんと説明しろ!と厳しいことを思っていたんですが、そんな販売員の方がむしろ世の中多いな~、と思ったり。
多分、彼女はハーバルが「ハーブの」という意味であることも知らないのではないかと・・・英語の語尾変化の法則を知っているとも思えない(笑)
◆zerkaloさん
いるいる!「グローバル」を連発する人(笑)
��思考を曖昧なままにしている
確かにその通りだね。思考を煮詰めていく中で、自然と言葉も洗練されていくものね。だから、言葉が洗練されていない論文やプレゼンがダメなのも、当然か。

みきみき さんのコメント...

うっ。
我が家にも帰国子女でもないくせに
元コンサルだったため、
��その件へのインプリケーションですが」
とか言う人がいますが
新しい会社で刺されないように
願ってやまない日々を過ごしています[E:coldsweats01]
一応意味は分かっているのでしょうが…。
ま、日本語語彙数と漢字能力が
極端に低い私が
言えたことではありませんがね[E:bomb]

ぺこ さんのコメント...

��「その件へのインプリケーションですが」
あっはっは!超うけました[E:happy02]
業界用語というか、風習ってあるよね〜。コンサルはまさにそういう業界なんでしょう。私が一緒に仕事している人たち見てると、投資銀行の人とかも結構、横文字連発する人多いです^^。でも、前述のような言葉の選択が正確な人なら、横文字連発はむしろかっこいいかも[E:wink]。

シュウゾー さんのコメント...

あきさんのコメントに、
”日常生活ではコミュニケーション開始→終了までがつつがなく終わることが重要で、むしろ揚げ足取るとは何事?という感じの人はすごく多いんではないか”
とありますが、「揚げ足取り」程度に「思ってくれる」だけならまだかわいいものです。とある学生は、こちらの「指導」に対して「難癖」などと面と向かってぬけぬけと「言って」くれますよ。まともな科学者がマッドサイエンティストに変わる心境が大分わかるようになりました。
そういえば、某政党トップの交代をを控えたとある党員の言葉。
「崖の上のポニョという映画がありますが、まさしく崖の上の某党!」
と、意気揚々とのたまってましたが、まったく意味不明。なにが言いたかったのでしょうか。。。一国の政治を担う議員様の日本語に対する感覚すらこの程度です。
かといって、科学の世界が言葉に五月蝿いかというとかならずしもそうではないわけで。
例:グローバルCOE
言葉が変化していくこと、新しい意味が付与されていること、新しい言葉が生まれていくことにはあまり抵抗を感じません。会話を進めるにはある程度「空気」もあるでしょう。けれども、話す相手や状況を考慮せず、その場に適した言葉を選ぼう、とか、意味を正しく理解して言葉を使おう、という「意識」を持たずにいる人間が多くいることには強い危機感を感じます。

ぺこ さんのコメント...

教員に向かって、難癖はすごいよね。。。
ていうか、その子、「難癖」の意味を知らないんじゃぁ^^;
zerkaloさんも書いているように、言葉を正しく使うのは深く思考をした結果だとすれば、言葉を適当に使っている=あまり頭を使っていない、ということだよね。それこそが問題だよね。
みなが空気読んで、スムーズに会話する社会って、心地よいかもしれないけれど、確実に知的水準は落ちていく気がする・・・。それは、「日常会話だから良い」という問題ではないのかもしれないね。