2007年10月7日日曜日

『漢文力』

(加藤徹・中公文庫)



漢文を読むことで、先人の思索や知恵に触れ、そこから今の自分たちを振り返る。まさに温故知新の力のことを、著者は漢文力と呼んでいるのだと思います。



 



教養として読むのも楽しいし、単純に漢文の美しさに触れるのも乙。



単に漢文を羅列してその意味を紹介しているのではなく、古代中国以外の思想家の考えを紹介したり、現代の事象に照らした著者自身の考えなどがかなり交えられており、読み物として面白いです。



著者も、はじめに、の中で、『古来、筆写と朗誦にまさる読書法はありません。もし、ご自分の気に入った漢文を見つけたら、それを声に出して朗誦し、ノートに手書きしてみてください』と書いていますが、漢文というのは声に出して読んでみたい、書いてみたい、と思わせる魅力がありますね。



それはなぜなのか?と考えると、全てを語っていないからなのではないかな、と。非常に端的な言葉のみで語られているので、いわゆる行間を読むという作業が必要となります。何を言っているのか、どういうことなのか、そこから何を読み取り、何を考えるべきなのか。これに比べると、現代の日本文というのは懇切丁寧なんだな、と感じます。



朗誦・筆写しながら、もう少しゆっくり味わいたい本です。



4 件のコメント:

腹ぺこ虎 さんのコメント...

同感です。
僕も本(長文)は苦手だけど漢文
特に漢詩は好きです。
やっぱり短いのが良いですね。
想像力を必要とするから。
あとリズム感が良い。
声に出して呼んでみると、ラップみたいな感覚です。
そういえば、高校時代に通った予備校でも漢文の講座しか
取ってなかった。
また、何か読みたくなってきたなぁ。

ケロ さんのコメント...

ペコさんお久しぶりです♪
うちにもコメントを残してくださってありがとうございます。
漢文、いいですよね。
冬に拙サイトで紹介しました、お風呂で読むシリーズに李白がありまして、今冬はぜひこれを購入しようと思っています。
古文、漢文は音がとてもきれいなので、ぜひとも声に出して読むべきだと思います。
お風呂の中で読むと声が反響して、益々趣き深くなることでしょうね。
身体の芯から温まる、お風呂での漢詩朗誦をお勧めしますよ♪

ポチ さんのコメント...

ぺこさん、こんにちは!!
朗唱しながら漢文を味わうようにして読む。
何だかとても頭に入りやすい気がします。
樋口一葉に「たけくらべ」という短編小説が
ありますが、現代とは文体が違う上に、
漢字の読みもやたらと難しいのですが、
一節一節を朗唱すると、これが何とも
いえない味があって面白みもあり、
とても楽しむことが出来ました。
昨今は、1秒で何頁も読めるという、
速読が流行っていますが、逆に、ゆっくりと
一文字一文字を口の中で転がすようにして、
読んでいく方が自分には合っている気がします。

ぺこ さんのコメント...

◆虎さん
そうそう、想像力ですよね!
今回この本を読んで、最近の自分の本や文章の読み方がかなり「漫然」としているな、と反省しました^^;
��予備校でも漢文の講座
それはまた、珍しい受講の仕方ですね^^
でも、私も高校の漢文の授業ってすごく好きでした~♪
◆ケロさん
お風呂で読む本、初めて知りました!やっぱり、お風呂で本を読む人、多いんですね~。私も風呂大好き人間なのでしょっちゅう読んでます。(普通の本ですが)
朗誦したい本をお風呂で読むというのは、すごくいいアイデアかも~♪これから寒くなりますし、お風呂でゆっくり温まりながら李白の詩を・・・なんて、考えただけでも素敵です!
◆ポチさん
「たけくらべ」、恥ずかしながら読んだことがないです~。ガラスの仮面に出てきたので、ストーリーはよく知ってますが(笑)。
日本の古典文学作品にも、声に出して読むと素敵な作品はたくさんありそうですね!
私も、ビジネス本とか新聞・仕事の書類等を読んでいる時は、切実に速読ができたらなぁ!!と思いますが、それ以外はむしろゆっくり読みたいです^^。